アメリカで自分にあった歯科医師を見つけるには
夫と私がA歯科医院で歯の定期健診を受けてから六ヶ月、そろそろ歯の検診に行く時期。しかし、夫も私も今回は別の歯医者に診てもらいたいと考え、以来ずっと歯医者さん探しをしていました。
「お、このMcAdams Dentalっていう歯医者の評判凄くいいよ!家からはちょっと遠いけど、次回の検診はここに行ってみようよ」と、ネットで検索していた夫が言うので、ではそこにということに。
え、なぜA歯医者に再度検診に行く気がしないかって?話せば長くなるのですが、そこには歯科保険と関連したアメリカ特有の事情があるのです。
歯科保険と歯科治療、そして・・・
夫と私がA歯医者に通う気がしなくなった理由には主に三つあります。
- 年数がそれほど経過していないものも含め現存する銀の詰め物を全て詰め替えることを勧められた。
- 歯の磨き方指導なくして「デープクリーニングをしなければ駄目」といわれた。(デープクリーニングとは、歯槽膿漏の治療の一種で文字通り「深く掃除」をすることで歯肉縁下歯石の除去です。これを行うと、三ヶ月にいっぺんは歯医者に通ってクリーニングをしなければならなくなります)
- 以上二つの治療の必要性について十分な説明がなされず「良い歯科保険に加入しているので治療費の心配はない」と言う点を強調された
そして、私個人的には、私の担当となった歯科衛生士の技術の未熟さ。
日本と違いアメリカでは患者用のうがい設備はありません。ほら、日本だとこんなかんじ(写真)で「はい、口をゆすいでください」と治療の合間に言われ、この際、口の中にたまった唾液や歯石などを吐き出しすっきりさせますよね。
でも、アメリカの歯医者さんにはこんな設備はありません。歯科衛生士はクリーニング中に口の中にたっまた唾液や、歯石を機械で吸い取りながら作業を行うのですが、このA歯医者さんの若い歯科衛生士さんは技術が未熟なのか私の顔中水が飛び散るは、口の隅からはあふれた水(よだれ?)が流れるは散々。
「やっと終わったー」と、思いきや「これで半分済みました。後の半分は来週です」と、にっこり。別のブースで他の歯科衛生士からクリーニング受けていた夫も同じ事を言われ、夫も私も唖然。これまでに他の歯医者も含めて何回も定期健診でクリーニングをしてもらっていますが、クリーニングのために「二回続けて来い」と言われたのはこれが初めて。
六ヶ月にいっぺん、クリーニングを受けているのになぜ今回に限ってクリーニングが二週にわたるのかはなぞでしたが、仕事を休んで、かつ、ガソリン代を使って来ている患者の身になって考えていないのは明らか。
そして、この日のクリーニングが済み最後に受付で、今後かかる銀の詰め物の全部詰め替えとデープクリーニングの費用について問い合わせたところ、「良い保険に入っているから自己負担はそんなかかりませんよ」と軽くあしらわれてしまいちょっとむっ。
え?なぜむっとしたかって?
ここはアメリカ、日本と違って国によって定められた歯科診療報酬点数があるわけではありませんから診療費は医師が請求したければいくらでも請求でき、あとは個々人が加入している保険会社がどこまで負担してくれるかによって自己負担が異なるから。
ですから、後になって請求書が届いてから「えー、こんなに支払わなければいけないのー!!」とならないようにきちんと書面で見積書を取っておくことが慣用。
「見積書をいただけますか」とお願いしだしてもらったところ、自己負担総額が日本円にして11万!日本で治療したら、おそらくこの十分の一で済むところ。それ以前に、「銀は全部詰め替え必要」なんてことは言われないはず・・・
「セコンドオピニオンが必要だー!!」・・・と、言うことで今回の歯科医師探しにいたったわけです。
優秀な歯科衛生士に出会う
結論から言えば、ネット上での評判は正しかった。McAdams Dentalは、車を40分飛ばしても通う価値ありの大当りでした!(^^)
なにが良かったって、私を担当してくれた歯科衛生士のJaimeさんのクリーニング技術の高さ。全く痛くないのにきちんと歯石を取ってくれて、かつ、一つも顔に水が飛ばない(^^)
Jaimeさんの静かな物腰から最初はちょっと緊張したものの、すごく丁寧にクリーニングをしてくれているのが彼女の指先から感じることができ、すぐに緊張もほぐれ、いつもだったら終わると肩がこるのに今回はそれもなく済みました。
また、私が歯周ポケットの深さチェックを終えたJaimeさんに、「前の歯医者さんでデープクリーニングをしないと駄目といわれてから一生懸命歯磨きしたんだけどやっぱりデープクリーニングが必要かしら?」と恐る恐る聞くと、
「必要ないと思うわ。あなたの歯茎はとっても健康よ!You did a good job! (よくできましたー)」ととっても素敵な笑顔で誉めてくれました(^^)やったー。
そして、医師が診察にくるまでの間話をしていると、なんと彼女のご主人がここの歯科医師なのだということも判明!
歯科医師はもと土木工学技師
その歯科医師Don McAdamsさんがちょっと変わった経歴の持ち主。大学で土木工学を学び土木工学技師の免許を取得した後に、大学で知り合ったJaimeさんの影響から歯科医師になるために勉強しなおし歯医者になったお方。
電気技師の夫が、ホームページでその経歴を読んで気に入ったのもこちらの歯医者さんに決めた理由の一つ。また、歯そのものだけでなく癌のサインなども見逃さず、実際彼の患者さんで定期健診に来た際に癌を発見し早期治療に貢献できたのだそう。
夫が、「以前通っていた歯科医師から私も妻も全ての詰め物を変える必要があるといわれ、かつ、妻はデープクリーニングも必要といわれました。Donさんの意見はいかがですか?」と聞くと、
「全部の詰め替えの必要性は全くないと私は考えます。特にどうしても今詰め替えなければいけないという緊急性は見受けられませんからね。しかし、あえて詰め替えるとしたらご主人が三本、奥さんが四本でそのうち一本はクラウンをお勧めしますね。デープクリーニングは、必要ないと思いますよ。Jaimeがお話したとおり奥さんの歯茎はいたって健康です。歯周ポケットも正常値ないですよ」と、にっこり。
「クラウンの種類は何が一番適切ですかね」と、たずねると「見た目を重視しないのであれば金合金が長持ちで一番使用感がいいですよ」と言うので「でも値段がはるのでは?」と私が聞くと、すぐにJaimeさんが見積りを出してくれました。それを見るとポルセリンと呼ばれる白いものよりかえって安い見積もりでびっくり。
日本の歯科治療費に比べれば高いものの、金合金は日本では保険対象外ですから自己負担額だけ見れば、金額的には日本のそれとそう変わりません。と、いうことでクラウンは金合金にすることに決定(^^)
夫も私も「ようやく良い歯医者さんにめぐり合えたね」と大満足で帰路に着きました。
日本でもそうですが、アメリカでは日本のような健康保険制度が確立していないため医師探しは大変。アメリカで治療を受ける際は、根気良く自分にあった医師が見つかるまで探し、疑問があったら迷わず質問、それでも疑問が解けない場合は、他の医師セカンドオピニオンをたずね、後で請求書が来てからぶったまげないよう治療の前に書面で見積書を求めることがポイントといえるでしょう。
今回ご紹介した歯科医師さんはこちらです。
McAdams Dental
10214 North Tatum Boulevard
Suite A-600
Phoenix, AZ 85028
Tel: 480-991-4727
URL: http://www.mcadamsdental.com/
2014年2月9日投稿 アリゾナのKiki
あ、ASUご卒業は昨年だったんですね!最近の記事かと思っていて日付をちゃんと見ていませんでした。すいません(>_<)
あっという間に一年、そうなんですASU卒業から既に一年経ってしまいました(^^;なんだか信じられないです。
こんにちわ!
フェニックスの歯医者さんを探していて辿り着きました。YelpでもレビューのいいMcAdams Dental、やっぱりいいんですね~!在フェニックス1年でまだわからないことも多いので、貴重なことを聞けてありがたいです!来月あたりに夫と歯医者に行こうと話しているので参考にさせて頂きます。
それと、ASUご卒業おめでとうございます!うちの夫も現在ASU院生です、来年の卒業が待ちきれません!(←私が)
MSBさん、こんにちわ(^^)在フェニックス1年目ですか?歯医者さんに限らずお医者さん探しは大変ですよね。日本の医療制度と大きく異なるので戸惑うことが多くて最初の頃は「なんでだー!!」といつも思ってました。ご主人、ASUの院生ですか!?すごいですね、がんばってください。応援しています。
お久しぶりです。△△△です。□□の就職祝いを頂き、感謝感激です。どうやって連絡して良いのやら分からず、村上のお母さんから頂いた新聞記事?からこちらに…メールで連絡とれるようなら□□にも伝えます。メールお待ちしておりますm(_ _)m
おひさしぶりー!!返信メール送ったんだけど二本ともエラーになって帰ってきちゃった(;、;)私のメルアドは、kkreinha@asu.eduなので良かったらこっちにメールください。