アメリカの結婚式

オハイオのとある町での結婚式―Wedding Ceremonyその2―

前回の記事で、「田舎町」と夫の実家を表現したら、夫が「小さいけれど市だし農村だけど田舎町じゃないよ~」とご機嫌斜めなので「田舎町」という表現はなしにしました(笑)

さて、前回の記事で報告しましたリハーサルディナーに引き続き、今回は結婚式の様子をお伝えします(^^)

夫の甥子は26歳、本人も両親も教会にはめったに行かないもののカトリック信者なので結婚式はカトリック教会で挙げることに決めたようです。それというのも夫の両親や今回結婚式を挙げる甥っ子が住む町の90%以上の住民はドイツ系カトリック教徒だから。

別に教会で式を挙げなくても自宅であろうが公園であろうがどこで挙げても良いらしいのですがWedding Officiant(司式者)という政府から認められた資格を持った人が、少なくとも二人の証人が立ち会う面前で式を執り行わなければ法で定められた結婚とは認められないのだそう。このWedding Officiant(司式者)になれる人は州の法律によって決められているため誰でもがなれるわけではありません。州によって違いますが一般的に聖職者、裁判官などがその職務に当たります。

そして、式終了後にこのWedding Officiant(司式者)がMarriage license (マリッジライセンスまたは婚姻許可書)なるものに署名し役場に提出することにより、公式に結婚が認められたことになります。そして、Marriage Certificate(マリッジサティフィケートまたは婚姻証明書)が一か月ほどすると届きますのでこれを婚姻の証として大切に保管しておくことが重要。

ちなみに日本のような戸籍制度はアメリカにはありません。

そんなわけで、まずは、結婚式当日に間に合うようMarriage license (マリッジライセンスまたは結婚許可書)と言う書類を役場からもらってきて式当日には忘れず持参する必要があります。このマリッジライセンス取得に要する手続き、必要な書類、費用などは州によって違うようですが、オハイオでは50ドルちょとだそうです。以前は血液検査も必要だったそうですが、現在では不要とのこと(^^)

朝、11時から式開始ということで教会には午前10時過ぎに到着。これよりかなり前に到着した花嫁はドレスに当日手配した美容師に髪のセットに大わらわ、花婿は入り口で式に参列する招待客にあいさつ。

教会の入り口で参列者を待ち受ける花婿(奥)、ウッシャーと呼ばれる花婿側の付添人たち及び花婿の家族が入り口で談笑する図

教会の入り口で参列者を待ち受ける花婿(奥)、ウッシャーと呼ばれる花婿側の付添人たち及び花婿の家族が入り口で談笑する図

結婚式場に使われた教会。参列者とその家族友人が到着し始めた様子。

結婚式場に使われた教会。参列者とその家族友人が到着し始めた様子。

ブライダルメイドと呼ばれる花嫁側の付き添いの女性たちも同じ部屋で髪の毛のセットを済ませると入り口で花嫁花婿の父の胸のポケットに花飾りをつけてあげ、ぞくぞくと訪れる出席者をにこやかに向かい入れていました。

花嫁の父に花飾りをつけるメイドオブオーナー

花嫁の父に花飾りをつけるメイドオブオーナー

暫くすると会場では音楽も奏でられ…

結婚式場の音楽奏者

音楽奏者まで手配されていました。

花嫁側の招待客は、祭壇に向かって左側、花婿側の招待客は右側に着席。花婿とウッシャーは、祭壇に向かって右側一番前列に着席、その後ろに花婿の両親、そして3列目には祖父母が着席します。そしていよいよ結婚式が始まりました。まずは花嫁花婿の母が祭壇の下右脇に供えられた三本のろうそく(中央に太い大きなろうそく。その両脇に細く長いろうそくが二本)のうち-細長い二本に火をともします。

続いて花婿とウッシャーが祭壇に向かって右側に立ち並び神父を先頭に入場してくるブライドメイドをエスコートします。ブライドメイドは祭壇に向かって左側、ウッシャーは向かって右側に一列に並び花嫁の入場を待ちます。

次に、フラワーガールに先導されて、父親にエスコートされた花嫁が入場。祭壇の前で花嫁を花婿に渡し、花婿がエスコートしながら祭壇へ。神父に一礼すると祭壇の左に設置された椅子に腰かけ、Lector(レクター)と呼ばれる人が旧約聖書の一節と新約聖書の一節を朗読します。この日は、花婿の友人と花婿の祖父が朗読しました。

聖書の一節を朗読するReader (リーダー)

聖書の一節を朗読するレクター(読師)

次に神父様からの講話がありました。かしこまった講和になるのかなあと思ったら以外にも和やかな感じでちょっぴりジョークを交えてこれから結婚する二人に教えを説くように話していたのが印象的でした(^^)

そしていよいよ結婚式のクライマックス、誓いの言葉、指輪の交換、誓いのキス、そして結婚後二人で初めて一緒に行うのがThe Light of the unity candles (ザ ライト オブ ザ ユニティ キャンドル)。祭壇の右下に供えられ、式の初めに二人の母親からともされた灯から火をとり中央の大きなろうそくに火をともします。

式典中指輪を保管し、指輪の交換時に神父に渡すのがベストマンの大切な役割。ベストマンは、たいてい兄弟のうちの一人、もしくはベストフレンドがなります。今回は、花婿の兄がその役を引き受けました。

ウィキペディアの情報によれば、このユニティキャンドル(中央の太いろうそく)に点火する行事はアメリカの婚礼で良く見られますが、歴史は浅くカトリック教会の婚礼儀式ではないものの、二つの家族が一つになった、二人の愛が一つになった、これまで一人ひとりであった個人が一緒になった等の象徴として行われているそうです。ロマンチックですね~(^-^)

式が終わって花嫁花婿、ベストマン、メイドオブオーナー、ウッシャー、ブライダルメイドが退場、招待客が順次入り口付近で花嫁花婿にお祝いの言葉を述べて去って行きましたが、今回は映画で良く見る「教会からでてくる花嫁花婿にお米や花弁を投げかけてお祝い。みんなにお祝いされながら二人は車で走り去る」という場面は見られず、教会に戻ってプロの写真家が記念写真を撮っていました。

アメリカの結婚式での記念写真。中央が花嫁花婿。花嫁のすぐわきに立つ女性がメイドオブオーナー。その横に立つ女性たちがブライダルメイド。花婿のすぐわきに立つのがベストマン。その横に立ち並ぶ男性陣がウッシャー。

中央が花嫁花婿。花嫁のすぐわきに立つ女性がメイドオブオーナー。その横に立つ女性たちがブライダルメイド。花婿のすぐわきに立つのがベストマン。その横に立ち並ぶ男性陣がウッシャー。

時代とともに結婚式のドレスの流行も行事も微妙に変わるようです。最近の流行は肩と背中を見せるドレスのようです。また、タキシードと言っても燕尾服に蝶ネクタイではなく普通のスーツのようでちょとこちらもびっくりしました(^-^)

そして苦笑したのは、花婿が緊張のあまりなのか終始ポケットに手をっ込んでいたことと、ウッシャーの何人かがガムを噛み噛み儀式に参加していたこと。私のようなおばさんには「おいおいちょっとそれは…」と思うのですが、アメリカでは誰も注意しないようです(^^;

二人が幸せであれば、何事もオッケーなのがアメリカ式なのかもしれませんね。

次回は、披露宴についてレポートします(^0^)/

アメリカの結婚式」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: アメリカ(オハイオ)式結婚披露宴 | Kiki East2AZ·

  2. ピンバック: アメリカのある田舎町での結婚式と披露宴―その1 結婚式― | Kiki East2AZ·

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