アリゾナのさそり

さそり騒動

三週間前の木曜日のことです。

夫は、空手の教室で不在。この日、私は夜七時からミーティングがあり、八時過ぎに家に帰りました。いつものように玄関の明かりをつけ、これまたいつものように暗い階段を下り、自分の部屋の明かりをつけようと一歩踏み出し明かりをつけたときです、右足の小指に激痛を感じました。

驚いて飛びのくと、案の定、敵も驚いてオドオド。

思った通り、サソリが尾をたてて戦闘態勢。

『なんで、そこにいるの~、ふんじゃったじゃん、クソ~!!』と、とりあえず手元にあったもので、バンバンとたたいてサソリを始末してから、『さて、どうしたものか』と考えました。

サソリの毒で死ぬ人もいることは確かですが、サソリの毒にアレルギー反応を起こす人や老人そして小さな子供以外は死に至ることはまれだと見聞きして知っていたのでそれほど心配する必要はないからです。

それでも、刺されたところはかなり傷むし、赤く腫れ始めて、夫が不在のその間にアレルギー反応を起こし意識不明になっても困るなあと考え、とりあえずポイズン・コントロール・センターに電話して刺されたときの対処方法について聞きました。

電話に出たのは声の感じからして若い男性。早口で応急処置と予想される症状を息もつかない勢いで話して聞かせてくれました。まず、刺された個所を石鹸水で洗い、濡れタオルで湿布して様子を見ること。そして、刺されてから一時間は、呼吸困難や吐き気、めまいなどの症状がでないか、または刺されたところが異常に腫れて腕や足の感覚がなくなるようなことがないか状態観察を続け安静にすること。また、もしそのような症状が出たら直ちに救急病院に行くこと。6時間経過して特に変化がなければ心配ないことなどを教えて頂きました。

その外に、破傷風の予防接種をしているかどうかも聞かれました。理由は分かりませんが、破傷風の予防接種をしていると良いようでした。私は米国に渡るときに一度、そして二年前に追加の予防接種をしていました。

これまでは、家の中でも靴を脱がないアメリカ人に対して『汚いなあ』と感じていましたが、今回ばかりは、はだしの危険性を思い知らされました。室内でも土足で歩き回るのは、毒虫に刺されるリスクを回避するという点では確かにはだしより安全です。

さて、私の場合は、というと…

刺された個所が赤く腫れ右足の小指全体が痛痒く、かつ、少し麻痺した感じにはなりましたが、冷水湿布が効いたのかそれ以上腫れが広がる様子もなく、その後もかゆみは残りましたが、特に普段の生活に支障が出ることもなく、腫れも二週間ほどすると完全に引いて元通りになりました。

ちなみにフェニックスでは、サソリの他にブラック・ウィドーという蜘蛛もお目にかかりたくない毒虫として知られています。しかし、なんといっても最も危険なのはダイヤモンドバックスと呼ばれる猛毒のガラガラヘビです。これに噛まれたら即病院に飛んでいく必要があります。

先日、たまたまアメリカ人の友人とランチをした時に、このサソリに刺された話をしたところ、ものすごく驚いていたので不思議に思って聞いたところ、生まれも育ちもフェニックスの彼女ですが、70年間のアリゾナ生活のなかで、サソリに遭遇したことは一度もなく、なんと実際に見たのは動物園の標本箱の中のサソリだけなのだそうです。それなのに日本から引っ越してきて12年の私が、毎年のように二匹から三匹のサソリを室内で発見、その度に退治し、かつ今回は刺されたにもかかわらず平気な顔で未だに素足で家の中を歩き気まわっていると話したものだから、信じられずに驚いたのでした。

同じフェニックスとはいえ町育ちの彼女とは違い、我が家は田舎、景色も違えば遭遇する生き物も違い、特に我が家はよそのお宅と違い防虫処理業者に頼んで殺虫剤をまくということもしていないので、当然サソリが家に入ってくるリスクも高いのでした。

さすがにサソリはいないものの、新潟の田舎育ちの私は子供の頃からヤモリや蜘蛛、蛇などといった生き物には慣れていたので良かったのかもしれません。というか、アリゾナで暮らしていくには慣れるしかないというのも事実ですが…

夫がフロリダに出張中で一月ほど家を留守にした時には、蛇が家の中に侵入したことがあり、さすがの私もこの時にはさすがに参りました。それでも小さい蛇でガラガラヘビではなかったことから、なんとか追い込んで外に出しましたが…(^_^;)

長く生きていると色々なことがありますね。

それでも、なんとかなるものです。

ちなみに、ふんじゃったのは、こんな奴でした(^_^;)

アリゾナのさそり」への9件のフィードバック

  1. kikiさん
    新しい章ですか?
    すごいなぁ。
    新しい自分と折り合っていくのも
    しんどい時もあるのに。
    以前の生き方とはまるで違う生き方。
    新しい考え方、ゆるく生きたい。

    以前の考え方のクセ。
    これはほとんどマイナス思考だったりする。
    前だったらもっと動けたのに。とか。
    矛盾していてたまに自分がワタワタします。

    私もいつか新しい章に入ったように思えるのかな?

    • 由紀子さん、こんにちは~
      そうですね、考えてみると私のこれまでの人生はジェットコースターに乗っているような上がり下がりの激しい目の回るようなものでした。
      その分ワクワクハラハラ感も半端じゃなく、落ちる時も死ぬかと思うような・・・
      『自分が選んでそういった人生を歩いたわけじゃない』と、思っていましたが、ここにきて私自身の「考え方の癖」がそのような人生を作り出していたのかもしれないと思う様になりました。

      まだまだ新しい章に慣れていないので、静けさを寂しさと取り違えて時々「ワクワクハラハラ感」をついつい探して「問題」に首を突っ込みそうになりますが(苦笑)、そこをぐっとこらえて静けさの中じっとしてその穏やかさを感じ楽しむように心がけています。
      以前と違うのは、自分が我慢できず問題に鼻をクンクン鳴らし始めるとその歪んだ思考に「気が付く」ということだと思います。
      また、もう一つ「人間だから、完璧な人なんて一人もいないし、間違いもする」と他者だけではなく自分を許せるようになってきたところかもしれません。

      私には由紀子さんの新しい章の扉が開きはじめているように感じられますよ~(^^)

      • そうなんです。
        今までジェットコースター人生、
        波乱万丈を望んでいた訳じゃないのに。
        と思ってましたが思考の癖で選んだ人生だったのかも。と思います。
        今は穏やかにゆるく生きたいと思います。

  2. 車のファンベルトやナット締め、サソリ退治…Kikiさんの冒険は続いてますねー。異国で暮らすというのは本当に想像つかないことがありますね。
    人生はまだまだ続きます…。
    穏やかな日が多くありますように。

    • とり子さん、ありがとうございます。
      かさねが死んだとき、それまでの私も死にました。
      それから毎日の苦悩の中で新しい自分を見つけました。
      あの日終わったと思った私の人生はそうやって新たなページを加え、新しい章に入ったように感じます・・・

  3. kikiさん
    大事に至らなくて本当に良かったです
    靴を履く習慣って身を守る為でもあるのですね
    日本でもお通夜に一晩中寝ずにお線香を絶やさずにいたのは、昔はネズミ等の小動物から遺体を守る為だったと聞いた事があります
    川の土手に彼岸花が咲いてるのも毒がある彼岸花で小動物が穴を開けるリスクを少なくして川の氾濫から守る生活の知恵だったそうです
    現在のような技術のない時代にも生きていく為に頑張ってくれた先人のお陰で私達があるのでしょうね

    • 美響さん、ありがとうございます。

      そうなんですね、お線香にはそんな意味が・・・
      私の実家ではカミソリを亡くなった人の胸に置きます。
      これも魔除けとはいえもともとは動物から遺体を守る意味があったのだと思います。

      彼岸花にも毒があるんですね、知りませんでした。
      娘が亡くなった川の土手に沢山の彼岸花が咲いていたんですよ。
      ですから、彼岸花を見るたびにあの日を思いだします。
      悲しくて美しかった川面に、真っ赤に燃えるように咲いていた彼岸花・・・
      コスモスの花も沢山咲いていました。

      悲しみはいつもありますが、心穏やかに思い出すことが出来るようになりました。
      ありがたいことです(^^)

  4. 痛そうですね。
    ムカデも痛かったけど^_^;
    サソリですか。
    応急処置センターみたいのがあるんですね。
    サソリにやられたら病院行っちゃうなぁ。
    アメリカは保険制度が日本と違って医療費が高いですもんね?
    映画か理科室くらいでしか見た事ない生物。
    この前のムカデチョキチョといい、
    アリゾナはデンジャラスですね。
    我が家にはアオダイショウって蛇がいついてますが…毒はないし守ってくれるらしいので様子見です。
    kikiさん、気をつけてね?
    靴じゃなくても何か履いて生活した方がいいかもしれませんね。
    とにかくお大事になさってくださいね。

    • 由紀子さん、いつもありがとうございます。
      そうそう、アメリカは保険制度が日本と違って、へたに救急に駆け込むと後で多額の請求が来て大変なことになったりするので落ち着いて行動しないといけないのです(苦笑)

      サソリ、私も最初はビビッていましたが、慣れるものですね。
      今回刺されたけれど考えていたよりたいしたことがなかったので、これからは、以前にも増してサソリに驚かなくなるかもです。
      でも、ムカデは嫌だなあ~
      足が速いから

      青大将!!
      懐かしい~
      新潟の祖父の家に良く出ました。
      子供の頃、地元の子達とつかまえて穴に逃げ込もうとする青大将のしっぽを引っ張って遊んだ覚えがあります。

      祖父の家の中の鴨居にぶら下がっていた時があったとかで、祖父が退治したとか・・・
      あっ、あれは、マムシでした!!
      生きたマムシを捕獲して一升瓶に入れてマムシ酒とかを地元の人が作っていたのを思い出します。
      昔の人って、本当デンジャラスです~
      手間もやっているのかな?

      はい、アリゾナもデンジャラスです~
      ボブキャットや、マウンテンライオンも、もう少し山手に行くといるらしいです。
      どちらもお目にかかりたくないです(^_^;)

      新潟の実家では、最近くまが出て、くま騒動です。
      こちらもデンジャラス~

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