娘を亡くしてもうすぐ二年です

自死遺族の一年目、二年目

娘を自死で亡くし半年が経ったころ、お嬢さんを亡くし二年目の夏を迎えていた自死遺族のお父さんに聞いたことがあります。

「二年目になったらこの痛みと悲しみは少しは楽になるのでしょうか?一年目と二年目では違いますか?」と・・・

その方の答えはこうでした。

「楽になったと言えるかどうか…、ただ悲しみの質が変わりましたね・・・」

その時はどういう意味なのかよくわかりませんでしたが、娘が亡くなってからもうすぐ二回目の命日を迎える今の私にならあのお父さんが言っていた言葉の意味が分かるように思います。

例えるなら、突然まっさかさまに奈落の底に落ち、その暗闇で血の涙を流しながらオロオロと娘の姿を探し歩く毎日、考えることは娘のことばかり、少し気を抜くとあの日の光景が眼前に蘇り心臓を突き刺されるような恐怖と悲しみに襲われる日々ばかりで毎日ただ生きていることが辛く死んだほうがましに違いないと感じそれでも虚しくも生きていたのが一年目。

友に支えられ、暗闇の中でも光が見えるときもあり、激しい痛みは和らいだものの鈍痛は残り時にちょっとした拍子に激痛がはしる。それでも、痛みにも徐々に慣れ、ひどく痛む時はどうやって痛みと共存すれば良いかも次第に分かるようになり、はた目から見れば普通に暮らしているように見え、時に悲しみを表現すると他者から驚かれたり引かれたりされ、そのことが孤独と悲しみに拍車をかける、それが二年目。

娘のことは今もいつでも頭のどこかにあって去ることはないけれど、一年目とは異なりそれはバックグラウンドミュージックのようにいつも流れている悲しい音楽のよう、それが二年目。時に激しく、時に穏やかに…

「悲しみの質が変わる」

確かにそう感じます。

伝えたかった言葉は残され、受け取る人の姿は見えない。泣きたいほど会いたいのに思いは一方通行。

伝えたい言葉を風にのせて

大切な人を亡くしても、その人に対する愛も一緒に消えてしまうわけではありません。一方通行の片思いのようでも愛は形を変えて残された人の思いに答えてくれるのだと思います。それは、朝の光の中に、風に揺れる花々の中に、ふいに現れる虹の中に、と…、いろいろな形に姿をかえて。

とても素敵なお話を見つけました。1990年3月11日付のシカゴ・トリビューンと言う地方紙に「From grandpa, above and beyond」 という見出しでコラム掲載された実際にあったお話です。

かなたからの手紙

イリノイ州ウィルメットに住む70才のバーニー・マイヤーおじいさんは癌をわずらっていました。ところが、予期せずある日突然亡くなってしまい、10歳になる孫のサラ・マイヤーちゃんはおじいちゃんにさよならを言うことができませんでした。でも、サラちゃんは、そんなおじいちゃんに対する気持ちを口にすることはありませんでした。

ある日、お友達の誕生パーティに招かれたサラちゃんは鮮やかな赤いヘリウムガス風船を手にして家に帰りました。

「サラは、家に帰ったと思ったら、再びその赤い風船を手にして外に出てきたんですよ。よく見ると、『バーニーおじいちゃんへ、とっても高いお空の天国行き』と書かれた封筒も手にしていました・・・」と、サラちゃんのお母さんがその日の様子をふりかえり話します。

封筒の中には、サラちゃんがおじいちゃんに宛てて書いた手紙が入っていました。

「おじいちゃん、こんにちわ。お元気ですか。 そちらの様子はどんなですか。」と言う書き出しで始められた手紙には、おじいちゃんに対するいっぱいの愛とサラちゃんがどんなにおじいちゃんが大好きかが書かれていました。そして、サラちゃんの思いがどうにかしておじいちゃんに届きますようにと結ばれていました。封筒には差出人のサラちゃん名前と住所も書かれていました。

サラちゃんは、その手紙を風船に結ぶと空に向けて放しました。

お母さんは、風船はあまりに弱弱しく、木々を超えていくことさえできないのではないかと思ったそうです。それでも風船は飛んでいきました。

それから二か月が過ぎたある日のことです。ペンシルバニア州ヨークの消印がはいった「サラ・マイヤーご家族様」と書かれた封書が届きました。

「親愛なるサラ、そしてご家族とご友人へ

手紙はちゃんとバーニー・マイヤーおじい様へ届き読まれましたよ。でも、上の世界では形のあるものはとっておくことができないので、風船はあちらこちら飛びながら地上に戻ってきました。むこうの世界では、思いやりや、想い出、愛、そういうものだけとっておくんです。サラ、あなたがおじいちゃんを思う時、あなたの思いはいつだっておじいちゃんに伝わっていますよ。そして、おじいちゃんはいっぱいの愛となってあなたのそばにいます。

 ドン・カップおじいさんより」

検品係を退職し隠居生活を送る63歳のカップさんがしぼんだ風船と手紙を見つけたのは、サラの住むウィルメットからおよそ600マイル(およそ965キロ)離れた北東ペンシルバニアで狩りをしていた時のことでした。サラが放った風船は少なくとも三つの州と五大湖の一つを超えブルーベリーの林に落ち着いたのです。

「なんと書いたら良いかと返事を出すまで何日もかかったよ。でもね、サラちゃんに返事をすることはとても大切だって思えたんだ」と、カップさんは言います。

サラは、「あの日ね、なぜだか私、どうしてもおじいちゃんの声が聞きたかったの。でも、今はね、なんとなくいつでも聞こえているように思えるよ」と、話しました。

(原文はこちらからご覧いただけます)

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この日は朝から気持ちが良かったので、りんごのマフィンを作ってみました。地元の蜂蜜を使ったクルミのトッピングがふんわりとした甘さを加えとてもおいしくできました。アメリカの古い折要理の本から見たけたレシピです。レシピは「アメリカの料理レシピ集」からご覧いただけます(^^)

 

娘を亡くしてもうすぐ二年です」への4件のフィードバック

  1. 初めてコメントします。
    私は、夫を病気で亡くし、この4年必死で生きてきました。まだ必死に生きるのを止めれないのは後悔があるからです。皆それぞれ辛い思いを抱えながら生きてるのだなと感じました。自分の身体も最近限界です、、、。自身の身体も、思いやりながら生きていきたいですね、、、。

    • 親を亡くした人は過去を失い、伴侶を亡くした人は現在を失い、子供を亡くした人は未来を失う、と、聞いたことがあります。Doragon Pinkさん、コメントをお寄せくださりありがとうございます。実は、私が子供を亡くしてからずっと支えてくれた友人の一人がDoragon Pinkさんと同様にご主人を病気で亡くした人です。今から10年前、癌でした。ご主人を亡くしたとき、彼女は40代で子供さんも下の子が高校生、ご主人は自宅で自営業を営んでいましたので、高校生のときに知り合ってから亡くなるまでずっと一緒でした。癌だったので、できる限りのことをしたつもりだったけれど、それでも亡くなったあといろいろな後悔があり、いまでも本当にあれでよかったのかと考えるときがあると言っていました。子供が三人残されたので、家のローンをかかえながらとにかく必死で生きてきたけれど悲しみは消えることはなく子供が巣立っていくようになり、夫がいないことが余計に寂しく感じられると話していました。
       大切な伴侶を、「現在」を失くし、これまで四年必死で生きてこられたDoragon Pinkさん、本当に大変でしたね、辛かったですね。その悲しみ辛さが体に出始めているのかもしれません。ご主人がいなくなってしまったことで、これまではご主人の役割だったことまでこなさなければならなかったのではないでしょうか。どんなにか寂しく辛い日々であったことかと思うと涙がこぼれます。どうかお体を大切にしてください。ご主人は見えなくなってしまいましたが、きっと今も傍らにいて「無理するな」と心配されていることだと思います。優しいあなただからこそ、今も後悔の気持ちがあるのだと思います。でも、それが普通だと、それが愛情なのだと私は思います。だから、どうかご自分にも優しくあってください。遠くからではありますが、Doragon Pinkさんが一日でも多く肩の力を抜いて亡くなったご主人の愛を感じ癒される日があることを祈っています。

  2. 最近込み入ったことばかり起こって疲れてるのですが、kikiさんのブログを読むと心が楽になります
    コメントしないページもいつも読んでいます
    いつか、前言ってくださったようにkikiさんとお会いできる日が本当にきたらうれしいです
    kikiさんとお話ししてみたい…..

    • ぴよこさんからそう言ってもらえると本当に嬉しいです。なんだか、遠くの娘から「許し」を貰っているようで…。前にも書きましたが無意識とはいえ私が毒親だったから、かさねを死に追いやってしまいました。私は未だにその自責と後悔の中で苦しみながら生きてます。だから、書くこともついつい喪失についてばかりです(^_^;)
       そのうえ、私はまだまだ修行中でTransformationには至っておらず、自分に自信がないのも事実です。でも、いつかぴよこさんと逢って話しができたら嬉しいです。その日が絶対来ると信じて諦めず、でも、焦らず、まずは自分に優しくあるよう生きてます。ぴよこさんも頑張りすぎないでね。時にはどんなに頑張ってもどうにもならないこともあります。でも、それはぴよこさんのせいじゃないからね。疲れたら休んでね(^_^.)

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